上伊由毘男のブログ

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「幸福は所得で決まらない」は金持ちの戯言

「金で買えない幸せがある」なんて金で買えるもの全部買ってから言え、って某有名ミュージシャンが言ったとか言わないとか。
幸福は所得で決まらない - 『日本の幸福度』 : アゴラ - ライブドアブログ

同じ所得を得ていても働いている人の幸福度は失業者より高い。したがって失業者に所得を再分配するバラマキ福祉より、新しい職を与えたほうがいいということになる。労働が幸福度に及ぼす影響は日本で特に強く、失業率と自殺率には強い相関がある。

「新しい職」って空から降ってくるわけじゃあるまいし。ただでさえ企業がクビ切りまくってるご時世にどんなお花畑だよ。ワーキングプアが幸せだとでも言うのか。
失業率と自殺率に強い相関があるのは、日本が失業イコール収入の喪失イコール生活の術を絶たれるというすべり台社会だからだ。一度落ちたら這い上がるすべは無きに等しい。人を死に追いやるのは絶望だ。ワープア非正規雇用だって、人間扱いされず部品のように働いて、給料も上がらない正社員にもなれない生活が一向に楽にならないという絶望を味わっている。これから一生こうやって奴隷のように生きていくのかと思わざるをえない絶望。それは死を考えるには十分だ。
そら年収1,000万くらいあったら働いてないより働いてるほうが人生楽しいかもしれんがな。

日本人の所得は、相対的には下がったといっても、まだ絶対的には高い。その自殺率が主要国で最悪なのは、所得とは別の深刻な問題があると考えざるをえない。

「高い」ねえ。年収100万の人と年収900万の人がいれば平均年収は500万になる。それを数字だけ見て「年収500万なら十分生活できるよな」って言っていいのか。
Business Media 誠:20〜30代の自殺が深刻化している……その理由は? (1/2)

「勤務問題」が自殺の原因・動機となっているのは30代がトップ。具体的に見ると、「職場の人間関係」や「仕事疲れ」で30代が全年代のトップ、20代でも「就職失敗」がすべての年代で最も多かった。

図録▽年齢別自殺率(男子)の長期推移と日米比較

40歳代〜50歳代では「経済・生活問題」「勤務問題」といった仕事・経済面が半数を超えている

自殺の原因では仕事の問題や失業、経済的困窮だというのに「所得とは別の深刻な問題がある」とかいうのは、福祉や労働の問題から目をそらせんがためのミスリードだろ。
必要なのは、失業が死に直結しないための施策なのだ。ぶっちゃけて言えば、金さえあればなんとかなる、救える命もあるのだ。
バラマキ福祉バラマキ福祉言うが、今までさんざんバラマキ公共事業やっといて福祉の時だけバラマキ批判するとか土建屋から何かもらってるのかと疑いたくなる。あまねくすべての人に福祉を行き渡らせようとすればそりゃバラマキに見えるかもしれん。しかし全国あちこちに道路やハコモノ作って一時的な雇用を生み出すのと、直接国民に金渡すのでは、後者のほうがロスが少ない。企業が潤えば末端の従業員も潤い雇用も増えるというトリクルダウン理論はこの10年で否定されたに等しい。それなら国民に直接金を渡し内需を増やすほうが景気対策としても福祉としても効率がよいではないか。
とにかく必要なのは、失業に怯えなくていい安定した生活であり、金である。こうしている今も、100人近くの人が毎日死に追いやられていることを忘れるな。