今日は終戦記念日。
もうおっさんなんで子供の頃のことってだいぶ記憶消えかかっているが、強く残っているのは、両親から聞いた戦争の話だ。
小学校の時、夏休みの宿題で戦争体験者の話を聞いてこいってのがあって、私は母から聞いた。
夜、焼夷弾の空襲があって、その中をまさしく命からがら川へ逃げ込んだら油が降ってきたっていう話。
夜が明けたら市中そこら中にまっ黒焦げになった死体が転がっていた話。
子供の頃は宿題だったということもあり「ふうん、大変だったんだ」くらいの気持ちしか無かった。
しかし、子供の頃の他の記憶はどんどん消えていくのに、この記憶だけは歳をとるにつれて重くのしかかってくる。
毎日毎日空襲に怯える日々はどんなだったろう。
山本五十六の地元だからって民間人の住む街に焼夷弾の雨を降らせるなんてひどい。
やっと川へ逃げ込んだら油が降ってきたときの恐怖はいかばかりだったろう。
夜が明け、黒焦げの死体の山を見たショックは、どれほどだったろう。
狂気だ。
そう言うと戦場の経験がある父は「戦争なんて狂わないとやってられない」とつぶやいていた。私が高校生の時に亡くなった父は戦争についてほとんど語らなかった。語れなかったのだろうと今は思う。
終戦記念日になると、この話をいつも思い出す。