上伊由毘男のブログ

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なんだったんだ?30years

トクサツガガガ」見てたらアメリカがINF条約破棄するってニュース速報が入って思わず声出た。ガガガ終わってからツイッターの反応見たがTLみんなサッカーの話しててトレンドもサッカーばっかで条約破棄20位以内に入ってなかった。


米、INF条約破棄を表明=ロシア「違反」、交渉決裂-新たなミサイル開発も:時事ドットコム
https://www.jiji.com/jc/article?k=2019020101365


INF条約(中距離核戦力全廃条約)は、1987年に米ソの間で結ばれた軍縮条約。第二次大戦以後、世界を二分する冷戦を行ってきた両国が軍縮の方向で同意した。


昭和の終わりから平成のはじめ、歴史的な出来事が次々に起こった。
東欧民主化天安門事件ベルリンの壁崩壊・東西ドイツ統一、ソ連崩壊、冷戦終結、ヨーロッパはECからEUへ。
まさに、日替わりで飛び込むどこかの国の新しいレボリューションで、最先端の話題は地球と自由と革命のカラミな日々だった。


私が生まれた頃にはすでに冷戦は固定化してて、動かすことのできない天地真理のように感じられた。米ソは人類を何百回も滅ぼせる核ミサイルを持ち、それが首脳のボタン一つで世界を飛び交い、地球は人が住めなくなる、核の冬が来るぞ、と思っていた。たぶんみんな思っていた。


だけど、そういう日々は終わりを告げようとしていた。冷戦という天地真理がひっくり返るような日々に、ひょっとしたら、人類史上初めて、世界が平和を求める方向で一致したのか、たとえ歩みは遅くとも、世界は良い方向に進んでいくのか、と思った。果てしない未来があってそれを信じてれば何も恐れずにいられた。そんな気分だった。
私はこの頃、高校を卒業して働きはじめた頃だ。昭和64年1月7日、雨の日にラジオで新元号を聞いた。元号が変わって、世の中も変わっていく、少しずつでも良くなっていく、漠然とそう信じていた。


しかし日本はその後バブルが崩壊し、有名な企業が次々に倒産したり、外資の軍門に降った。日本経済は数字の上では復活したかに見えた。だが戦後の成功体験が忘れられない企業や政府は仕事のやり方を変えることができず時代に取り残され、失われた10年は20年になり、30年になった。その結果、起こるはずの第三次ベビーブームは到来せず、わかっていたはずの少子高齢化も回避できず、若者は路頭に迷い、社会は活力を失い、格差はアメリカ並に拡大した。しかもかつての成功体験に縛られ変化のできない日本はその格差が固定化し、再興の目は無きに等しく、人々は希望を失った。


一方世界は、ロシアも中国も独裁が進み覇権主義を隠さなくなった。アメリカは一国主義を唱え唯一の超大国としての責務を忌避しだした。EUからはイギリスが離脱しようとしている。
まるで時計の針を逆回ししてるような状態だ。
自由経済の拡大は資本主義モンスターを生み出し、富の集中が進み、人々は分断された。その富の力で政治にも影響を与え、一握りの人間が世界の主導権を握るようになった。


地球は再び核の恐怖に覆われる日が来るのだろうか。世界平和を求める動きは、自由と民主主義を求める動きは、もう無いのだろうか。
平成が終わる。だけど次の時代に向かうというより、いつ地球が滅びてもおかしくない時代に戻ろうとしているみたいだ。


いったいなんだったんだ30years.