上伊由毘男のブログ

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地上波映画放送にアホみたいなテロップが付く3つの理由

先日日テレで放送された映画に、アホみたいなテロップが表示されて続け話題になっています。


映画「シャーロックホームズ」で左上に表示されるテロップに苦情殺到 #ntv #シャーロックホームズ - NAVER まとめ


まあね。
バラエティや歌番組の過剰テロップや無駄そうなワイプも、根っこは同じような気がします。

ザッピング対策

ちょこちょこチャンネルを変えながら見てる視聴者を途中から獲得するには、途中から見ても「おっ、なんかやってるな」って興味を惹くようにしないといけない。だから、映画ではストーリーの先も表示するし、ワイプで「今VTR流してるけどスタジオにはこういう芸能人出てますよ」ってアピールしなきゃいけない。また、今見てる視聴者に対しては、「これからいいところだからチャンネル変えないでね」ってアピールしたい、ってところでしょうか。

視聴者の選別

今回の金ローテロップに文句言っちゃう層ってのは、もう映画の醍醐味、作品の魅力とかは知ってるわけです。そういう人はもう劇場で観たりDVD買ったり借りたりしてるだろうし、映画ファンなら衛星やネット配信とかで有料視聴してるかもしれない。で、そういう人は地上波にとってお客さんじゃないわけですよ最初から。まさしく「嫌なら見るな」を能動的に実践してる。地上波テレビが見て欲しい人ってのは、映画ひいてはエンタメ一般にこだわりがなく、テレビでやってるからと流されやすい人、自動車保険のCM見てまずはお電話しちゃうとかなとか、CM見てグノシーDLしちゃうような人。そういう人がターゲットだから、ハッシュタグ「#金曜ロードショーの左上のテロップにありがちなこと」とかで揶揄しちゃう人とかは、テレビ局の人も「ネットのひきこもりうぜーなネットから出てくんなよ」って思っちゃってるかしれません。想像ですけど。

何かしなければいけない症候群

実はこれが一番可能性高くて問題の根が深いかもしれないです。
これはテレビにかぎらず組織で仕事してれば往々にして出くわす現象ですが、日々仕事をしていて、例えば前年比◯%アップを目指しましょうとか、売上や利益を改善しましょうという問題に日々取り組んでいるわけです。そうしたとき、担当者としては「目に見えてなんかやった証」が欲しいわけですよ。たとえなにもしないほうがマシだとわかっていても!じゃないと上司に怒られるから。そうして、いじらないでいいところに手を付けざるをえない、という場面、会社組織で仕事をされてる方なら一度や二度ではないのではないでしょうか。何かしら対応した、手を付けたって証があれば、仕事したって事になりますけど、なんにも手を付けてない、見える形で対応した痕跡がないと「さぼってないでなんかやれよ!」とか言われたり思われたり。その結果、テレビであれば過剰テロップなり、無駄ワイプなりなんじゃないでしょうか。しかもこれがやっかいなのは、うまく行かなかったから更に改良しましょうって時に、前任者がやったことを取り消すのはなかなか難しいんですよ。前任者の仕事全否定しちゃうことになるから。だから担当者が変わっても、何かしら「仕事した証」が増えていき、今の雪だるまみたいな過剰テロップになってるんじゃないかなあと。画面の四隅になにかしら表示されてる事ありますよね。せっかくテレビでかくてキレイになったのになんかなあって感じです。

地上波テレビは元々広告マシーンだと割り切るしかない

タダで見てるわけですしね。スマフォの画面の下でウヨウヨ動くバナーみたいなもんですよ。テレビは、テレビ見てアプリDLしたり保険考えなおしたり青汁飲んだりクルマ買ったりする人向けであって、ツイッターで実況したり大喜利したりする人のものじゃないってことなんじゃないでしょうか。きっと。みんなHuluやスカパーに逃げるしかないってことなんでしょうかね。お後がよろしいようで。よくねえよ。