上伊由毘男のブログ

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無能に人権は無いから黙って働き尽くして死ね

で、死にゆく者と生き残るものを誰がどうやって分ける気だ。まあこういうこと言う奴は無条件に自分が生き残る側だと思ってるんだからおめでたいとしか言いようがない。
大学生が多すぎる : アゴラ - ライブドアブログ

大卒の就職内定率が6割を切った原因は、求人倍率が低いからではありません。リクルートワークス研究所の調査によれば、2011年大卒の求人倍率は1.28で、前年より減ったものの、依然として需要超過です。この調査が始まった1987年以降で倍率が1以下になったのは、2000年だけです。ではなぜ4割の学生が就職できないのでしょうか? 
それは彼らが選り好みしているからです。

出た出た。
するとあれか。養鶏場みたいに自由を奪って肉や卵のかわりに労働力を搾取するべくエサをやればいいと思ってるわけか。それは人が人に対する行いだろうか。

要するに就職難の根本的な原因は、必要のない教育を受けてプライドだけ高くなった大学生が多すぎることなのです。

増えすぎた大学生を殺せば問題は解決するとでも言いたげだな。まあ実際解決するが。企業に選ばれなかった無職の大学生をガス室送りにでもするかい、池田センセ。


「就職難は大学生が増えすぎたのが原因」説に対する反論 - テラの多事寸評

たとえ増えすぎた大学生が、大学に進学せず中卒や高卒時点で就職の道を選ぼうが、就職難であることに変わりはないことが分かりました。大学生が増えようが減ろうが、どっちにせよ就職氷河期なんですね。


学生の質がどうだとか、大学全入時代だからだとか、そういうことを言うまえに、もうここらで素直に認めたらどうですか。若者の雇用そのものが無くなりつつあるんだ、ってね。

こないだ書いたが、企業の競争が激しくなればなるほど、市場主義が強くなれば強くなるほど、雇用は減らさざるをえない。
雇用は改善しないことをいいかげん受け入れろ - 人は働く機械ではない
池田センセともあろうお方がそんなことに気づかないわけはないが、あえて無視してるのは、安い労働力が無いと不都合があるからだろうかねえ。
無能に仕事は無い、それは企業の選別の結果だろう。だがここで企業に補助金付けて無理やり「雇用を創出」とか目先5センチくらいしか見えてなくて何の解決にもなってない。むしろ統計上の数字のみを誤魔化し、現実を隠蔽し、企業や社会の問題解決を遠ざけるものだ。


優秀でなければ仕事が無い時代の幕開け - 狐の王国

もう一つおもしろかったのは、「優秀な人は学生のときから優秀」という話。そういう学生を選別して入社させるんだそうだ。そうすることで「優秀な人だけの組織」を作り上げる。

さてここで問題だ。企業が言わばそういった「上澄み」だけを拾おうとしたとき、「上澄み」以外の人間はどうなる?

上澄みは沈殿するものがあるから上澄みなのである。上澄みだけでは存在し得ない。かといって上澄みでないものを入れてしまえば組織を弱体化させる。

かといって「優秀でない人」に飢えられても困るのは企業だ。彼らも大きく言えば顧客であり、なんらかの消費活動をしてくれなかったら巡り巡って企業が飢える。

というわけでこのままいろんな企業が「優秀な人」だけを集めようとしていくと、最終的にはベーシックインカムでも導入せざるを得なくなるのではないかなあ、などと考えている。

まあそういうことだ。
id:KoshianX は、優秀な人というのは必ずしも相対的なものではない、と書いているが、私は相対的なものだと考える。どんなに「優秀」な人々の集まりでもヨーイドンで競争すればトップとビリが出る。
それは当然だ。
そしてそういう競争があるから、企業も社会も発展する。
だが、そこで「負けた」人を社会から排除し死に追いやり(大げさではない。日本で一度「社会」から外れた人がどうなるか考えてみろ。それを恐れるあまりザンギョウもカロウシも無くならないのだ)、残った人々でまた競争が行われたら?
どんな社会だっていろんな人がいるはずだし、いなければ種としての生存能力が失われてしまう。エリートだけの社会を作ろうとすれば、人材は画一化し、環境の変化に対応できず滅ぶだろう。
世の中いろんな人がいるから回っていくのだ。
それを、「優秀」か「無能」かで選別し、「無能」に仕事を選ぶ権利も人権も無い、劣悪だろうと違法だろうと黙って「優秀」な者の下で働いて死んでいけ、というのは、人間の使い捨てそのものだ。
そんなことを続けていたら日本が滅んでしまうし、実際今そうなりつつあるのではないだろうか。


今必要なのは、ベーシック・インカム(じゃなくてもいいけど)のように働けない人、職のない人の生活基盤を維持すること。それと、雇う方も雇われる側も「正社員にあらずば人にあらず」のような硬直した価値観を捨て、多様な働き方、多様な生き方を認める意識の変革であろう。
そしたら、学生も学業そっちのけで就活しなきゃいけないなんてことにはならないだろう。失業や無職があたりまえになれば、働いてなくても生きていければ、過労死過労自殺に追い込まれる人だって減らせるはずだ。