上伊由毘男のブログ

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憲法は自民党のオモチャじゃない

自民党憲法改正推進本部が参議院選挙区の合区解消へ向けた憲法改正の条文案を了承したという報道がありました。
あきれてモノが言えない。言うけど。


改憲議論結構。9条議論結構。しかしドサクサに紛れて政党エゴ丸出しなことしようとしてんじゃねえよ。


東京新聞:自民、「合区」解消条文案を了承 都道府県に1人以上:政治(TOKYO Web)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201802/CK2018021602000262.html


合区解消の改憲条文案了承 自民、他党協議は難航も:日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO2701531016022018EA3000/


そもそもは、参議院選挙における一票の格差が拡大し、最高裁で「違憲状態」の判決が出たことにあります。これを是正するために、参議院の人口の少ない選挙区は2つの区を1つにして一票の格差を是正しようとしました。これが「合区」です。まあ焼け石に水レベルなんですけど。


その合区をまた元に戻すために改憲を利用しようというのです。一票の格差問題の根っこの部分である都道府県区割りに手を付けずに。いや手を付けさせないために。地方に票田を持つ自民党が有利になるように。実現したい国家観も国民の生活も頭になくただただ党が選挙に勝つために。
そこには、有権者の民意を政策に反映させようという発想も、選挙制度の基本となる一票の格差是正の姿勢も、憲法14条が定めたの法の下の平等を遵守する考えもありません。ただただ自分たちが選挙で有利になることしか頭にないのです。
数を背景に憲法をを私物化しようというのか。


憲法99条では、「天皇又は摂政及び国務大臣国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。」と定めています。それすらやる気が無いようなら、それが自民党の総意なら、もはや自民党は「違憲政党」と言えるかもしれません。


自民党は様々な意見の政治家が集まってることが強みだと言われることがあります。このような憲法も政治も国民もナメきったような話が実現しないことを願います。