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上伊由毘男のブログ

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最初のセーフティネットって何ですか?それ機能してますか?

生活保護は最後のセーフティネットと言われています。では最初のセーフティネットとか、次のセーフティネットってあるんでしょうか。


まず真っ先に思い出すのは雇用保険ですが、再就職できることを前提にした制度なんで、へんな話、元々経歴も立派でいい雇用環境だった人に有利な制度なんですよ。
例えば、雇用保険で受給できる金額は、前職の給与が良かった人ほど多いんです。前職の給与が少なく預貯金する余裕がなくカツカツで生活してた人は、受給できる金額が少ないんです。
さらに言うと、会社に勤めてる間(離職2年間以内で12ヶ月以上)にちゃんと雇用保険払ってた人だけが対象なので、遵法意識の無い違法企業いわゆるブラック企業から命からがら脱出しても、雇用保険を受給できないことだってあります。そりゃ受益者負担なんだから当たり前だろうって?払った人だけが受けられるならそれ民間の保険と同じじゃないですか。
雇用保険の受給には今まで勤めていた会社から離職票ってのを出してもらわないといけないんですが、怠慢なのか嫌がらせなのか、離職票がなかなか手に入らない、なんて話もあります。
ある一定期間以上会社で働かないと(雇用保険を納めてないと)受給できないってことは、入社2ヶ月で過労死したような人とかは、仮に生前本人がヤバいと思って逃げ出したとしても、なんの施策も受けられないってことです。しかも自己都合退職だと退職して3ヶ月間は雇用保険受給できないので、これまたブラック企業に都合がいいようにできています。
ブラック企業から逃げ出すためには無一文になる覚悟が必要で、それで一度でも路上生活とかしたらそれこそ再就職は困難を極めるでしょう。一度落ちたら這い上がれないすべり台社会と言われる所以です。
言ってみりゃ、セーフティネットの不備がブラック企業の手伝いをしているようなものなんですから。


だから雇用保険がもっと“最初のセーフティネット”として使いやすければ、企業に殺される前に逃げ出すこともできるし、安心して職業訓練や再就職に取り組み事ができるのではないでしょうか。


まず、現在は労働者と雇用主と国で払っている雇用保険料は企業が全額払うべきです。従業員が一定数以上の企業は正規・非正規問わず従業員数に応じて払うのです。過去の雇用保険の履歴を確認するための離職票は不要とし、過去にどこでどれだけの期間働いていても雇用保険を受給できるようにします。企業も社会の中で商売を行い、利益を上げ、労働力を得ているのですから、社会的責任として応分の負担をすべきです。


離職票が不要なので、前職にかかわらず金額は均一にするのがいいでしょう(例えば、生活保護の生活扶助と住宅扶助の最大金額の合計)。
受給期間も、現在は90日、最長でも360日となってますが、新しい職能を身につけたり、あせって違法企業(ブラック企業)に勤めてしまわないためにも、より長期にすることが望ましいです。例えば受給開始時の年齢が25歳なら25ヶ月、50歳なら50ヶ月とか。25ヶ月あるうち10ヶ月で就職して、1年後に失業したら、26-10であと16ヶ月受給できる、みたいにすれば、早期に再就職するインセンティブにもなるでしょう。


こうして“最初のセーフティネット”を充実させれば、“最後のセーフティネット”である生活保護の受給者や保護費を減らせるのではないでしょうか。
生活保護受給者が過去最多などとしばしば報道されます。それだけ困窮してる人が増えてる事実を再確認し、今受給してる人の保護費を下げるよりも、生活保護を受けざるをえないような状態になる前に手を打つことも必要ではないでしょうか。