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上伊由毘男のブログ

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『軽減税率』は低所得者対策にならんばかりか新たな利権の温床になるだけ(しかも税収減)

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消費税の再増税をめぐる議論が盛んになっております。その中で低所得者対策として『軽減税率』が提案されていますが、消費税の再増税があろうとなかろうと、軽減税率は愚策中の愚策としか言えません。


消費税における軽減税率とは、主に生活必需品の消費税率を他の品目より軽減することで、低所得者層の生活を支援し、消費税の逆進性(所得が少ない人ほど負担割合が大きい)を緩和を狙うものです。政府与党では税率10%時に導入するとしています。


しかし、ちょっと考えただけでもすぐに問題点が浮かびます。

誰が買っても同じ税率だから低所得者対策になってない

例えば、トイレットペーパーは生活必需品だから軽減税率を適用しましょう。
この場合、消費者がトイレットペーパーを買うのにかかる金額は、年収200万の人も年収2,000万の人も同じです。この一点のみでも、低所得者対策になってないのがお分かりいただけるかと。
さらに、軽減税率の品目として食料品が想定されていますが、成城石井やデパ地下の高級食材も、スーパーの半額弁当も、同じように消費税が軽減されます。これ意味あるんでしょうか。
また、導入済みの国々ではバカみたいな事例もあります。


消費税 - Wikipedia

軽減税率[編集]
軽減税率は食料品を始めとした生活必需品と贅沢品を区分けし、非課税にしたり税率を低税率にするものである。消費税という税制度は逆進性が高いことが問題となっており[1]、その逆進性の問題へ対応するために軽減税率などが多くの国で導入されている。しかしこの非課税課税の区分けや税率は多くの議論があり、また各国で違いがある[2]。
例えばカナダではドーナツ5個以内は外食とみなされ消費税6%、ドーナツ6個以上ではその場では食べられないとみなされ食料品となり消費税は非課税となる[3]。ドイツではハンバーガーを食べる場所により変わり、店内で食べると外食とみなされ消費税19%かかり、テイクアウトにすると食料品とみなされ消費税7%となる[3]。


金なくてドーナツ1個しか買えない人より、6個買ったほうが税率が低いとかなんなんでしょうね。外食と持ち帰りで税率が違ったら、コンビニで買って店内のイートインスペースで食ったらどうなんるんでしょうね。そんなんで税率が違うとかナンセンスの極みですし、当然売る側の事業者もクソめんどくさい負担(しかも売上には全然寄与しない)が増えます。

税率が軽減される品目を誰が決めるんでしょう

消費税 軽減税率導入の問題点 (浅野千晴 税理士) : シェアーズカフェ・オンライン

軽減税率の選定にあたって、各諸団体は何としても自分たちの業界を軽減税率にしてもらおうと政府に陳情することになります。このことはそれを選定する政治家や官僚への癒着や天下り先を増やす結果になるのではないでしょうか?


これですね。もう。特に付け加えることもありません。
実際、日本新聞協会がはりきって特設サイトまで作っています。


聞いてください!新聞への消費税軽減税率適用のこと|日本新聞協会

Q:なぜ新聞に軽減税率が必要なのですか?

A:みなさんがニュースや知識を得るための負担を減らすためです。新聞界が軽減税率を求めているのは購読料金に対してです。読者の負担を軽くすることは、活字文化の維持、普及にとって不可欠だと考えています。新聞協会が実施した調査でも、8割を超える国民が軽減税率の導入を求めていて、そのうち4分の3が新聞や書籍にも軽減税率を適用するよう望んでいます。新聞協会は、書籍や雑誌への適用も併せて求めています。


生活必需品なんて人によって違うし、情報源だってそうです。“新聞の公共性”を掲げながら、自分たちだけ軽い税率を適用してくれなんて、身勝手この上ないじゃないですか。
そんなんだから、読者の新聞離れが進むんでしょう。


新聞は生き残れるのか? 新聞社経営の実態は? | THE PAGE(ザ・ページ)

新聞の発行部数は年々減少が続いており、ここ10年で600万部近く、率にして1割ほど少なくなりました。


新聞の社会的役割が無いとは思いません。ですが、情報インフラと言う意味ではテレビだってインターネットだって大事です。軽減税率の是非や消費税自体の問題点を訴えるより、メディア自身が私たちが一番大事ですって言っちゃうのは、もうなんか、みっともないってか恥ずかしいってか、呆れますね。自分たちがどう思われてるかもわかってない。


NewsPicks

――朝日新聞のスキャンダルを見ていると、古いメディア企業、ジャーナリストの終わりというか、メディアがアイデンティティークライシスに陥っている気がします。


僕はジャーナリズムという言葉はあまり好きではないというか、どちらかと言うと嫌い。ジャーナリストがいないとみなが困ると言われても、誰がどう困るんだっけ、そんなん知らんがなという話になる。世の中の99%の人はジャーナリストではないので、どうぞ勝手にしてという感じだと思う。

例えば、アメリカで地方紙が潰れた都市では、権力の監視機能が弱くなって市役所の公務員や市長はお手盛りで給与をあげていた。だから、ジャーナリズムが必要だと言われても、なんだか居直り強盗というか、脅しのように聞こえる。市長の給与を低くおさえるために、わざわざローカル紙が必要でもないだろうし。

低所得者対策はそれはそれでちゃんと行うべき

政府は、消費税率引上げによる増収分は、全て社会保障の充実・安定化の財源になる*1としています。であれば、低所得者対策のために税収が減っては本末転倒ではないですか。消費税は消費税で「入る分」をしっかりと管理し、出る方=低所得者対策はそれはそれでしっかり行われなければなりません。
私は給付付き税額控除が良いと思うのですが、あまり議論の対象にないってないみたいで残念です。