上伊由毘男のブログ

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忍び寄る“名ばかり有休”の恐怖

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過労死等防止対策推進法の成立に伴い、厚生労働省は長時間労働や過重労働を防止する対策とともに、企業に対して従業員の有給休暇の消化を義務付ける検討に入ったとのこと。
しかし、現行の労働基準法だって、ちゃんと守られれば過労死過労自殺といった事態は減らせるはずなのです。


労働基準法

第一条  労働条件は、労働者が人たるに値する生活を営むための必要を充たすべきものでなければならない。
○2  この法律で定める労働条件の基準は最低のものであるから、労働関係の当事者は、この基準を理由として労働条件を低下させてはならないことはもとより、その向上を図るように努めなければならない。


で、現実はどうかというのは皆様ご存知の通り。
ワタミすき家ヤマダ電機、そして最近話題になったところでは、たかの友梨ビューティクリニックといった、誰もが知る有名な企業でも、過労死や残業代不払い、パワハラなどの人権侵害が横行しています。「過労死」で検索すると、誰もが知ってる企業だけでも枚挙にいとまがないほどずらずら出てきます。中小企業においては言わずもがなでしょう。「労基法なんか守ってたら会社が潰れてしまう」という合言葉のもと、会社のためなら人が死んでも当然だと思ってる雇用主の皆さんであふれているのが我が日本です。


そんな現状を黙認したまま、企業に対して従業員の有給休暇の消化を義務づけても、どれほどの効果がありますでしょうか。タイムカードを定時で切ってから働かせるような会社が珍しくないこの国なら、有給休暇を“消化した”ことにして働かせるのではないでしょうか。もちろん割増賃金など出るはずもありません。まあこれは私が実際に体験したから言ってるんですけどね。


企業のお目付け役であるはずの労働基準監督署も、人手が足りなかったり、あるいは企業とグルになって労基法違反をもみ消したりなんて事例もあるそうで(ソース見つからなかった)、シャラップ日本ここに極まれりって感じです。


私思うんですけどね。労働者をサビ残(残業代不払い)なり有休の休出(もちろん賃金不払い)なりタダ働きさせてるということは、本来払うべき賃金を払ってないってことですよね。ということは、労働者から会社に利益(本来受け取るべき残業代や手当など)を与えてるとも言い換えられますよね。つまり、それらの未払賃金分の金額を会社は受け取っておきながら、どこにも申告してない、それは脱税と言えなくはないですか。
労働基準監督署だけでなく国税にも取り締まってもらえば、企業も少しは襟を正すのではないでしょうか。


何にせよ、過労死等防止対策推進法もできたことですし、労働基準法第一条のように、全ての労働者が公正で心身とも健康に働ける環境になってほしいです。