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上伊由毘男のブログ

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日本が活力を取り戻すたったひとつの方法

気がつくと消費増税の論調がメディアやネットで目立つようになっていた。消費を喚起して経済をたてなおさなければならないというときに消費を抑制する施策をとってどうする。何?先進各国に比べて消費税率は低い?そういうことは労働環境セーフティネットが先進各国並になってから言え。


悪化する財政、沈滞する経済、展望のない社会保障、徒労感に失望する現役世代、おちおち子供も産めない環境。
日本はなぜ活力を失ってしまったのか。その答えは、敗戦直後なぜ日本は今より遥かに貧困だったのにあれほど前向きだったのか、今日より明日が良くなると信じられたのかを考えてみることでわかる。


敗戦後の日本は、国民がみな何もかも失ってのスタートだった。それまで社会の中枢にいた人たちは処刑されたり公職追放されたりした。財閥は解体され、農地解放が行われ、名ばかりの四民平等は、日本国憲法により「法の下の平等」になった。
今で言う「既得権益」は次々と崩れ去り、言わば、一度リセットされたのだ。皆がイコールコンディションになった。
そしたらあとは、頑張ったものが「勝ち組」になれる。我も貧乏人も貧乏。だったらやったものの勝ちだ。それが敗戦に打ちのめされた日本人を奮起させたのではないだろうか。


ところが今はどうだろうか。
生まれた家で金持ちか貧乏かが決まり、自ずと受けられる教育も程度が変わってくる。そして良い環境で教育を受けいい大学を出たものが就職でも有利になり生活も安定する。一方貧乏な家では学費のために働けば低賃金でこき使われ勉強もままならず、生活苦のため高等教育を断念すればさらに就職に不利となり希望が持てぬ低賃金・不安定な労働を強いられる。働き始めたあとも、低賃金ほど重くのしかかる社会保障費や税金に苦しめられ、貯金などできるはずもなく貧困スパイラルにおちいる。さりとて生活保護でも受けようものなら「税金泥棒」「社会の寄生虫」などのそしりを受け、時には自殺にまで追いやられる。


こう書くと「自己責任」「努力が足りない」の大合唱になるのが今の日本だが、金持ちの家に生まれるのに本人が何を努力したというのだ。
生活保護社会福祉を「不労所得」と目の敵にするむきもあるが、金持ちの家に生まれただけで経済的な苦労を何一つしないというのは「不労所得」ではないのか。


今の日本にはリセットする制度が足りないのだ。私は「希望は戦争」とは言わないし、もう一度日本が戦争に負ければいいなどとも決して思わない。だからこそ、制度として、自己責任自己責任というならば「生まれながらの格差」はなるべく抑えられなければならない。


そのためにできる、日本が活力を取り戻すたったひとつの方法は「相続税100%」だ。
どうせ人間墓場まで金は持っていけないのだ。消費税を上げる前に、相続税を100%にして、その税収を社会保障セーフティネット少子化対策に使えばいい。相続税を払うのが嫌なら生きてるうちに使えばいい。消費税を上げることなんかより、よっぽど景気刺激策になる。


「じゃあある日突然一家の大黒柱を失ったら家族は路頭に迷うのか」
そんなことはない。相続税にも基礎控除がある。
http://www.nta.go.jp/taxanswer/sozoku/4152.htm

5,000万円+1,000万円×法定相続人の数

さすがにこれだけあれば路頭に迷うことはあるまい。


相続税を100%にし、その金でセーフティネットなどの福祉や教育を充実させれば、「生まれながらの格差」はいくらかは是正されるはずだ。
そしてそれこそが「頑張った人が報われる社会」につながり、チャレンジする意欲を生み出し、日本が再び活力を取り戻す道である。
消費税が増税されれば、母子家庭だろうが現役世代だろうが同じように負担増になるが、死んだ人から税金を取ればそういう問題もない。


あとこれを書きながら思ったのだが、ベーシック・インカム反対論で「働く人がいなくなる」「勤労意欲が失われ怠惰になる」という意見を目にするが、生まれながらにして経済的に不自由ない生活を送っているような人が大企業の社長に就任したり総理大臣になったりしているのだから、勤労意欲が失われるようなことはないのではないか。