上伊由毘男のブログ

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人は働く機械ではない

雇用主の道具でもないし奴隷でもない。
かつて女性を「産む機械」と呼んで非難を浴びた大臣がいたが、大臣に限らず、日本社会全体が、人間を「働く機械」として扱うことを前提に作られているといっても過言ではない。
その証拠に、「働かなくても生きていける社会」などを提唱しようものなら「自己責任」「働かざるもの食うべからず」「競争に敗れたなら死を」の大合唱だ。
バイトヘル2010 - せうかつ

普通に生きて、夢もそんなに無くて、最後に残った砦がこんなパン工場なら死ねってこと?能力が低ければ人間って怒鳴られ続けられるの?なんか全然納得も理解もできないし、能力が有れば高給をもらえる事は喜ばしいが、無ければ虐げられる社会なら喜んで自殺する。

あえて言う。仕事ができないくらいでなんで死ななきゃならないんだ。
仕事ができない人間は生きている資格がないというなら、人の人生は仕事をするためだけに存在するのか。だから、家庭も人の尊厳もほったらかしで仕事して、あげく肉体的精神的に追いつめられて過労死やら自殺やらするのが正しい姿なのか。
異常な自殺率にみる「日本型福祉社会」の崩壊  JBpress(日本ビジネスプレス)

 失業で自殺が増えるのは当たり前だと思いがちだが、実はこれは日本に特有の現象である。河西千秋『自殺予防学』によれば、スウェーデンでは1992年の金融危機失業率は2%から10%に激増したが、自殺者は減り、その後も減り続けている。これは欧州では失業給付が手厚く、職を失ってから数年間、就業中とあまり変わらない所得が保障され、職業訓練によって転職を促進するなど、失業を前提にした制度設計ができているからだ。

 会社に依存した「日本型福祉社会」が崩壊したのに、それに代わって社会が個人を守るシステムができていないため、絶対的な孤独に追い詰められた人々が死を選ぶ。彼らは、もう維持できない旧体制にこだわって問題を先送りしている経営者や政府に対して、死をもって抗議しているのではないか。

終身雇用年功序列は幻想に過ぎず、どんな企業でもリストラや倒産がありえることがはっきりした。そもそも今や仕事より人のほうが多いのだから、どんなに個人に能力があろうと失業が無くなることはない。
失業状態が悪、無くさなければならないという考えを改める時がきているのだ。その上で、働かなくても生きていける社会の構築を急がなければならない。
なぜならば、これは「弱者」「負け組」だけの問題ではない、誰にでも襲いかかる可能性がある問題だからだ。
「俺がそんなクズみたいになるわけないじゃん」
転落する前はみんなそう思ってるものだ。そしていざ自分の身に起こったときに「まさかこんなことになるとは」となる。だから、そうなる前に、みんなで考えて欲しい。
ついにネットカフェからも締め出される!?この夏ワーキングプアが“住居”を失うワケ|格差社会の中心で友愛を叫ぶ|ダイヤモンド・オンライン

正社員でも、けっして年功賃金や終身雇用が約束されない今、35年間にもわたる住宅ローンを支払い続ける暮らしに、大勢の人々が精神的な圧迫を感じ始めている。かたや賃貸住宅も、家賃や更新料、敷金・礼金など、借り手の負担はあまりに重い。これまでは、賃貸アパート、マンション、持ち家と、「住まいの梯子」を上がるのが当然とされていたが、今後は、いつ何時、誰が転がり落ちるかわからないのである。

「安心して暮らせる住まい」から締め出しを食らうかもしれないのは、ネットカフェを常宿とする人たちだけではないのだ。

こうした不安定な社会では人々は保身を第一に考えるようになり、今仕事がある人の活力も奪ってしまう。「ここを辞めたら他に行く場所がない生活も奪われる」といった状態では仕事も消費も萎縮してしまう。それでは景気だって良くなるわけがない。
Togetter - まとめ「ブラック企業は何故なくならないのか」
そういう状態だからブラック企業が堂々とまかり通ってしまうのである。本人や家族の生活を人質に正当な対価も払わずに企業だけが収益を確保する。
まさに働いても地獄働かなくても地獄だ。
時事ドットコム:派遣社員遺族の請求棄却=自殺、うつ病認定されず−仙台地裁

 訴状などによると、赤坂さんは羽田社に入社後、2000年7月に佐川急便東北支社に派遣され宅配荷物の仕分けに従事していたが、06年3月に自宅で首をつり自殺した。亡くなるまでの5年間の月平均残業時間は約100時間で、亡くなった3月には十二指腸潰瘍(かいよう)と診断された。

死ぬまで働いても会社に責任無いってさ!自己責任!自己責任!


確かに、我々が合法的にできる抗議としては、働かずに死ぬことしかないのかもしれない。